想い箱

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好きを詰め込んだ宝箱

vol.30 高橋一生 -感情を持っていかれる芝居-

高橋  一生(たかはし いっせい)

  今回紹介するのは、TBSドラマ『凪のお暇』で凪に一途だけど不器用なために時に傷つけてしまう慎二を演じている高橋一生さん。私が紹介するまでもなく有名な方なのですが、ドラマでの演技が凄まじすぎて、この想いをどうしても書きたくなったので紹介させていただきます。

事務所プロフィール

  一生さんは、子役時代から数多くのドラマや映画に出演されており、様々な役を演じられてきました。ジブリ映画の『耳をすませば』で天沢聖司の声を務めていることでも知られていますね。私の中で昔の印象として残っているのは『医龍』と『名前をなくした女神』です。嫌味な奴とモラハラ夫のイメージ笑。この頃はそれほど注目もしていませんでした。

  そんな私が彼にはまったのは、王道かもしれませんが『民王』です。堅物総理とそのお気楽な息子が陰謀に巻き込まれ、中身が入れ替わってしまうというコメディなのですが、まず内容が抜群に面白い。そして一生さん演じる総理秘書の貝原が良い! 呆れつつ信じつつ支えつつみたいな笑。ワードセンスといい表情といい役にぴったりとハマっています。あと『カルテット』と『私に運命の恋なんてありえないって思ってた』が特に好きな作品です。

  どう表現するのが一番当てはまっているのか分からないんですけど、一生さんは複雑で人間味のある人物を演じるのがとても上手いと感じます。明るく見えるけど、できる男に見えるけど実は不器用でダメな部分もあって、それがどうしようもなく愛おしく見える。単純じゃない人間そのものを表しているというか、言葉がなくても伝わってくるのが彼の演技の真骨頂だと勝手に思っています笑。

  現在放送中の『凪のお暇』は、その「これぞ高橋一生」が十分に堪能できる作品です。最初はモラハラを前面に押し出した最低男ですが、話が進むにつれて本当は凪のことが大好きで好きな子の前では素直になれない小学生男子のような一面を持っていると分かる。モラハラ発言は戴けませんが、凪のいないところで号泣したり感情を爆発させたりそこに慎二という人間が表れていて憎めない。上手いです。

 「素直になったらうまくいくのにそういうとこだぞ慎二😡」と思うことも多々ですが、4話の慎二の感情の動きは良かったなぁ。大好きな女性が目の前で堕ちていく姿を見て、止められない自分が悔しくて初めて彼女の前で涙を流すってもう...。でも凪の前で泣いてくれて良かった。視聴者は神目線でこの世界を見てるので慎二の本当の気持ちを知っているけど、凪には1ミリも伝わっていませんでしたからね。あ〜みんな幸せになって。

  凪と慎二は似ている部分も多いからどちらも受け入れられなくて違う方向にいってしまうのかなと思ったり。慎二もゴンさんも違うベクトルでやばい人なのでどちらが良いとは一概には言えませんが、今後の展開も楽しみです。演出・音楽も凄く良い。

  妙に胡散臭い笑顔、冷たい目、全てを悟った目、焦った顔、嬉しそうな顔、怒った顔、顔をくしゃくしゃにして号泣するとこ、心配する眼差し、泣きそうに震える声。一生さんの表情、声色は、見ているこちらの感情をドラマの世界へ引きずり込んでいくような力があります。これからも色々な作品で私たちをドラマの世界へ連れて行ってください。応援しています!

 

 

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